研究開発部 K.Tさん
ゼロベースから何かを生み出せる研究者を目指す。
研究開発部 2015年入社
K.Tさん
当社に入社した動機は何ですか?
チタン工業は地元に根付いた企業です。私は宇部市で育ちましたので、子供の頃にお祭りなどでチタン工業の名前を見かけることもあり、ずいぶん前から知っていました。就職活動中は、「研究開発を仕事にしたい」、「地元で働きたい」との考えで企業選びを行い、チタン工業の求人を見つけました。トナー材料および化粧品材料が会社のメイン事業であり、今まで学んできた材料の知識が生きると考えたことと、自社で分析可能な特性が多く研究環境が整っていることが入社の決め手となりました。
当社の魅力は何ですか?
超微粒子酸化チタンおよび合成酸化鉄、並びに複合無機酸化物などの当社の主力製品は、微粒子化、粒子形状制御および不純物低減など当社独自の基盤技術を駆使して製造されており、高い付加価値を有しています。
また、優れた材料を作るには、優れた分析技術も必要です。化粧品用酸化鉄を例に挙げると、当社独自の不純物低減技術により世界トップレベルの不純物質の少ない材料を製造しています。これを成し遂げるには高度な分析技術が必要となります。
このように当社の魅力は、高度な製造技術および分析技術を融合させ、他社には真似できない付加価値の高い製品を製造できることだと考えます。
今の仕事内容を教えて下さい。
現在、私は研究開発部に所属し、超微粒子酸化チタンおよび複合無機酸化物の開発に取り組んでいます。私の担当はレーザープリンタに使用されるトナーの帯電量あるいは流動性を調節する役割を持つ外添剤の開発です。日々の仕事は、サンプルワークがメインで、作製したサンプルを提出し、お客様に評価してもらい、抽出された課題に対して改善サンプルを作製し再提出、このサイクルを繰り返し、製品採用を目指します。提出するサンプルはお客様と協議してその内容および納期を決定するので、専門的な知識が必要となりますが、自分が提案した改善案が功を奏した際は嬉しいものです。また、約束した納期は厳守が絶対です。タイミングを逃すとどんなに良いものを作ったとしても無駄に終わってしまうこともあります。だからこそ業務の効率性あるいは計画性などが求められ、よりスピーディーに対応することが必要です。
成長できたと感じるのはどんなときですか?
入社して間もなく、量産試作に携わる機会がありました。内容は既存製品を宇部工場から宇部開発センターに製造移管することでした。現場での仕事は、製造工程が問題無く進んでいるかの確認だけではなく、使用する装置の特徴および原料などの物資の移動も考慮せねばならず、非常に難しいものでした。この経験から、日々の実験で作製しているサンプルは、採用された際の量産化を考え、日々の実験は現場を想定した上で行うことと、現場の装置の原理および特徴についてもっと知識が必要であることを改めて意識するようになりました。
将来の目標を教えて下さい。
現在担当しているトナー用外添剤の開発における技術および知見をさらに深化させることはもちろんですが、技術者であるからにはやはりゼロベースから新しい材料を生み出してみたいものです。そのために、現在担当している分野だけではなく、材料メーカーである当社の利点を生かし、様々な業界の技術および知見を吸収していきたいと考えています。
学生の方にメッセージを
開発したものが実際に採用に辿り着くまで、数年以上かかるものもあり、忍耐と地道な努力が必要ですが、自分が開発した製品が採用され、世の中に役立てるという喜びは研究開発部でしか味わえないやりがいのある仕事だと私は考え、この職業を選択しました。学生の皆さんも、自分自身が何をしたいのかしっかりイメージし、将来を選択してください。